しぐまっく

愛機MacBook Pro(Mid 2010)を研究やら趣味やらに使っている際のおぼえがき.homebrewとかlinuxとかwebサービスとかも.

TechLog 7/31 - はじめに + ストローの話

TechLogと称して,この1週間くらいにあったテクノロジー系の情報を紹介,レビューしてみたいと思います. このご時世 どの会社も既存の技術で何十年もやっていくのは難しいということで,何かあると「新規事業」やら「新技術」を提案しろと言うわけですが,すぐに思いつくものでもなく. やはり普段から新しい技術のタネをウォッチすることが先決ということで,PocketやInstapaperでストックがてら,ブログの方へもアウトプットしてみます.

記事紹介

newswitch.jp

ユニチカは、独自のバイオマスプラスチック「テラマック」を改質し、柔軟性と耐久性を兼ね備えたストロー向け樹脂を開発、ストローメーカーなどに提案を始めた。 (中略) 「機能性に加え、バイオマスプラの課題とされる“におい”を低減した」

プラごみ自体は前から問題にはなっていましたが,この数年で特に話題になっているように思います. 発端はウミガメの鼻からチューブ状のものを引き抜く動画とのことで, G20でも議題に上がったり,マイクロプラスチック問題も相まって敏感になっています.

プラストローの代替としては,

  1. マイストローの使用(アルミ製など)
  2. 紙製
  3. 生分解性プラスチック

が挙げられますが,商品に添付前提なら 2, 3のどちらかですね. 紙製ストローは日本製紙など作っており,調べるとaskulでも売っていますね. ただ(実売が)¥3,000/300本とかなり高いです(製造コストはもう少し低いと思いますが). また紙製は耐久性が難有りとのことで,なかなか採用に至るケースが少ないです.

このニュースでは,ユニチカの生分解性プラの例を出していますが,匂いもバイオマスプラの課題になっているのは初耳でした. 確かに樹脂によっては臭いですからね・・ストローだと重要そうです. ただ生分解性プラ原料は昔からある「ポリ乳酸」とのことで,ポリ乳酸より有効なポリマーはまだ出ていないんですかね.

別の問題点として,生分解性プラスチックは特定の環境下で加水分解・微生物により分解されるため, 生分解性プラスチックを分別回収し,処理する必要があります.

https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリ乳酸#生分解性

現状ではその仕組みが揃っていない状況ですので,「それならあんまり意味はないのでは」と思っていました. ただ使用の下地を作っていくこと,たとえ焼却されてもバイオマスであることからCO2排出抑制には効果があることから事例は増やすに越したことはなさそうです. 石油由来プラより環境毒性がマシそう(?)ですし.

http://www.jbpaweb.net/gp/gp_faq.htm

将来展望

便利で安価という特性から貧困層の方にもよく使われているという現状からも,プラスチックを完全になくすのはあまり現実的ではありません.一方で,やはりゴミ問題・化石燃料・温暖化という現代の問題の3つの側面に繋がっていることからなんとかするのは必須. 日本の得意な化学・材料分野なので,上手く押さえられれば大きなマスだと思うんですが,道は険しそうです.